「ヴァニタスの手記」にて今なお謎に包まれている『シャルラタン』
ネーニアと呼ばれる影に吸血鬼たちは真名を奪われ、ヴァニタスがそれを直すという展開が繰り広げられていますが、そもそも『シャルラタン』とは一体何なのでしょう?
また、吸血鬼の真名を奪うほどの力を持つネーニアの存在。
その正体や目的とは一体なんなのか。
現在出ている情報と照らし合わせながら、「シャルラタンとは?ネーニアの正体は何者で目的や真名を奪う理由」を考察していきたいと思います!
この記事にはネタバレが含まれるため、まだ本編を読んでいない人は、ぜひ下記よりお得に読破してください。
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シャルラタンとは?
『シャルラタン』の存在が明らかになったのは2巻5話です。
呪持ちとなって暴走したアメリアを救出し、ヴァニタスが「君は『シャルラタン』を見たか?」と問うたのがきっかけですね。
これまで呪持ちになった吸血鬼は、身体の異変を自覚する前に皆同じような光景を見ています。
- 気が付くと深い霧の中にいた
- そこで『シャルラタン』のパレードを見た
奇術師のような格好した者たちが踊り狂うパレードですが、そこに住まう異質な影が「ようこそ『シャルラタンのパレード』へ」と発言しています。
現在『シャルラタン』の詳しい概要は明らかになっていませんが、『シャルラタン』が吸血鬼を呪持ちに堕とす元凶の一端であることは間違い在りません。
シャルラタンの歴史的な意味
シャルラタンとはいささか耳慣れない言葉だが、これは近代フランスにおいて、しばしばコメディア・デラルテ(イタリアの仮面喜劇)を出自とする客寄せ芸人たちを引きつれ、どこからともなく定住社会に闖入し、祝祭や大市などを格好の舞台として、巧みな口上よろしく生半可な医術を営み、怪しげな薬を売りつけては、いずかたともなく去っていった周縁者たちの謂である。正統者の虚実を嗤う異形精神の源流。
引用:シャルラタン―歴史と諧謔の仕掛人たち より
シャルラタンという単語は近代フランス文化に出てくる言葉です。
正統者の虚実を嗤う異形精神の源流とあるように、正しい者をねじ曲げてしまう意味があると考えられます。
シャルラタンのパレードは呪持ちが生まれる原因?
吸血鬼たちが呪持ちになる原因の一端を担っている『シャルラタン』のパレードですが、シャルラタンのパレードそのものが呪持ちを生み出すわけではありません。
呪持ちになった吸血鬼たちは皆パレードを目撃していますが、そもそも吸血鬼が呪持ちになる原因は吸血鬼の構成式である真名を奪われることにあります。
吸血鬼が呪持ちになる原因、つまり吸血鬼の真名を奪うのは〝ネーニア〟だと3巻12話にて明らかになりました。
それではこれから、ネーニアとは一体何者なのかを解説していきます。
ネーニアの正体は何者で禍名は?
漫画7巻38話にて、ネーニアの正体は紅月の吸血鬼「女王ファウスティナ」の禍名だと明かされました。
〝ネーニア〟の意味は、〝死を囲う者〟
漫画3巻13話にて、ヴァニタスは呪持ちが生まれる原因は女王にあると言っていましたね。
ルスヴンはその発言に激高する形で否定しましたが、同伴していたルカ(ルキウス)は無言の肯定をしています。
つまりヴァニタスの予想は当たっており、それが7巻にて真名と禍名を明かす形で伏線回収されました。
ネーニアは女王の残骸?
紅月の吸血鬼の女王・ファウスティナは、長い間姿を現わしていないとされています。
ヴァニタス曰く「引きこもりになってしまった」ということですが、3巻で映し出された女王の姿はとても機能しているように見えませんでしたね。
しかし7巻にて、女王・ファウスティナは〝女王の牙(ビスティア)〟にて身体を壊されたことが判明。
ネーニアとして活動しているファウスティナの禍名は、彼女の残骸であるとのことです。
ネーニアが非常に強い力を持っていることは以前から示唆されていました。
本来自分しか知り得ない真名を奪い、かつ歪めることのできる存在です。
それは吸血鬼の中身を作り替えてしまうことに等しく、そんなことができるのは原初なる紅月の吸血鬼の女王である彼女しかいません。
ファウスティナの真の正体はこれがキーになります。
吸血鬼の中身を変える力を持つファウスティナ(ネーニア)と、それを元に戻すことのできるヴァニタスの書。
このことにより、紅月の吸血鬼(ファウスティナ)と蒼月の吸血鬼(ヴァニタス)は深い関係にあることが考えられます。
ファウスティナ(ネーニア)の真の正体を考察
ここで考察するのは、紅月の吸血鬼(ファウスティナ)と蒼月の吸血鬼(ヴァニタス)の双子説です。
そもそも「ヴァニタスの手記」における主人公のヴァニタスは、彼の本名ではありません。
ヴァニタスはあくまで蒼月の吸血鬼よりヴァニタスの書と名前(ヴァニタス)を受け継いだ人間であり、蒼月の吸血鬼(ヴァニタス)とは異なる存在です。
吸血鬼の構成式(真名)を書き換えるほど強い力を持つ、紅月の吸血鬼(ファウスティナ)と蒼月の吸血鬼(ヴァニタス)。
2人が近親者である可能性は高く、ここでは双子であるという可能性を考察します。
吸血鬼の一族において、双子は吉兆の証です。
母体からより多くの命を奪うためという理由がありますが、それは本当に真実でしょうか?
恐らく紅月の吸血鬼(ファウスティナ)と蒼月の吸血鬼(ヴァニタス)は、同じ月の色の夜に生まれていながら瞳の色が違ったのだと考えられます。
どんな生命社会の中でも、異質なものは嫌われますね。
恐らく蒼月の吸血鬼は、その特異な容姿から同じ吸血鬼一族に迫害されたのではないでしょうか?
それが蒼月の吸血鬼の童話の元ネタであり、また双子は吉兆であると言われる原因であると推察されます。
紅月の吸血鬼(ファウスティナ)と蒼月の吸血鬼(ヴァニタス)の双子ならば、ヴァニタスの書が2つあるのにも説明が付きます。
また、ルカが縋り付いていた女王陛下の肌の色と、ヴァニタスの回想に顕われる蒼月の吸血鬼の肌色も同じです。
現在ヴァニタスの書はヴァニタスとミハイルが持っていますが、元は紅月の吸血鬼(ファウスティナ)と蒼月の吸血鬼(ヴァニタス)の持ち物だったのではないでしょうか。
ネーニアの目的を考察
ネーニアの目的は、今も明かされていません。
しかし『シャルラタン』としてルカ(ルキウス)の暗殺を企んだりと、背後に何らかの人物が控えていることは確定していますね。
ではネーニアが積極的にその活動をしているかというと懐疑的です。
むしろ彼女は愉快犯染みた所があり、吸血鬼達の真名を奪うことに固執していると考えられます。
ネーニアが真名を奪う理由とは?
ネーニアが真名を奪う理由は、忘れてしまった自分の真名探しではないでしょうか?
無意識に近い感覚ではありますが、7巻でも「名前を探しに行かなくちゃ…」と呟いています。
〝真名〟ではなく〝名前〟と呟いたところが、自分のことのようですね。
しかしネーニアは女王・ファウスティナの残骸であることが確定していますので、その無意識さを第三者に利用されている可能性も存在します。
シャルラタンの仲間は誰?一覧を紹介
ここからは現在判明しているシャルラタンのメンバーを紹介します。
まだまだ謎に包まれた組織ですが、紅月の吸血鬼に関して並々ならぬ感情を抱いていそうですね。
ネーニア
シャルラタンのパレードを率いている不気味な影。
吸血鬼の構成式とも言える真名を奪い、歪めることによって呪持ちへと変化させます。
その正体は紅月の吸血鬼 女王・ファウスティナの残骸。
ネーニアとはファウスティナの禍名であり、また彼女は自分が何者であるかを覚えていません。
仮面の男(蜘蛛君)
漫画「ヴァニタスの手記」2巻にて初登場した、山羊のような仮面を被った男です。
ドクター・モローからは『蜘蛛君』と呼ばれており、その正体は一切不明。
一方でノエを酷く敵視するなど、激しい感情を見せることもあります。
ドクター・モロー
『シャルラタン』の協力者。
いつか自分も吸血鬼になりたいという願いの元、吸血鬼研究に人生を捧げています。
しかしその手法や思考は常軌を逸しており、〝教会〟から異常者扱いされた上で追放。
ヴァニタスの過去に深い関わりを持つ人物で、具体的な研究としては人工的に蒼月の吸血鬼を作ることを目標としていました。
現在も影ながら研究を続けており、シャルラタンに匿われています。
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まとめ
今回はシャルラタンとは何か、またネーニアの正体や目的について考察をしました。
シャルラタンとは一つの組織であり、今なお目的の全容は不明です。
ネーニアと呼ばれる影が吸血鬼の真名を奪う活動を主としており、また蒼月の吸血鬼を作り出すという目的にも荷担していることが現在は判明。
ネーニアの正体は紅月の吸血鬼 女王・ファウスティナの残骸ということも明かされ、「ヴァニタスの手記」は佳境に入ろうとしていますね。
紅月の吸血鬼の女王を従えながら、蒼月の吸血鬼を作り出す研究に荷担しているシャルラタン。
紅月の吸血鬼と蒼月の吸血鬼は双子ではないか、という考察も交えながら解説しましたがいかがでしたでしょうか?
アニメ化もされて益々の盛り上がりを見せる「ヴァニタスの手記」!
今後もその展開から目が離せません。
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