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営業４年目・26歳の速見は、丁寧な仕事ぶりで得意先から可愛がられ、会社のアイドルと呼ばれている。しかし家では家事ができず片づけられず、汚部屋で暮らすズボラモンスター。そんな速見の裏の姿を、後輩の素直な新入社員・山本くんが見つけてしまう。アイドル像が壊れてショックな山本くんだったが、実は彼は神レベルの家事スキルを持っていた！ そんな山本くんをリクルートしたい速見は…！？ 天然系バリキャリ女子×オカン系年下男子の、笑いたっぷりハイテンションラブコメディ、開幕です。

営業４年目・26歳の速見は、仕事はバリバリとこなしているが、家では汚部屋で暮らすズボラモンスター。そんな速見に淡い想いを寄せる後輩の山本くんは、圧倒的な家事スキルを持っていた！ なんだかんだと速見の世話を焼くうちに「お嫁さんに来ない？」とリクルートされ、同居することになった二人。押せ押せの山本くんと、ぼんやりした速見の気持ちは、すれ違ってばかり…！？
天然女子×オカン系年下男子の、笑いたっぷりハイテンションラブコメディ。新キャラも登場でますます加速中です！

7話

山本から突然のキスをされてしまった速見・・・。

私もいい大人だし、あんな冗談っぽい年下くんのキスで動揺したりしないけど・・・

と、冷静を装いたいつもりの速水ですが、山本に何もなかったかのように

「先輩、飲み物買ってきますけど何かいります？」と言われ

全く目を合わすことができず、死んだ魚の目でただ淡々と注文するのでした・・・。

死ぬほど動揺している・・・！顔が見れない・・・！

山本は、速見と目が合わないことを不審がっていますが、

そのペースに乗せられて近づいたら朝のキスがフラッシュバックしそうです。

頑なに目を合わさない様子の速見を見てハートが粉々になる山本の気持ちを知らずに

速見は、「年上のくせにイシキしすぎ（笑）とか思ってるかな〜」と照れ隠しでクールに装うのでした。

山本はいつもスパルタだったり、生活のために嫁をしてくれる感じなのに

家事の合間にちょいちょいこんな風にドキッとさせてくることがあり

どう対処していいかわからない速見なのでした。

・・・そして、そわそわしたまま夜に！！！！

無言の夕食で、食器の音だけが虚しく響きます。

最初に口を切ったのは山本！あからさまに引かなくても・・・と声をかけます。

自分が気持ち悪かったと謝る山本に、気持ち悪くないよと否定する速見ですが、

じゃあ嬉しかったんですか？と尋ねられると笑顔で「えっうぅううんもう全然！」と妙に明るく言ってしまい

結局気まずい空気のまま速見は自室で食事を取ることにしました。

部屋に戻ると、手紙が溜まっています。

そこには何と山本家（母）からのお茶会のお誘いのお便りも・・・！？これは旦那品評会になるのでは！？

これに驚いた速見はすぐに山本に確認しに行きます。

それはきっと兄が大げさに話て、本当に自分たちが夫婦になると思っているからだと言葉を濁す山本。

それを聞いて、ならなおさら誤解を解くべきだ！と考える速見ですが全力で止める山本・・・。

しかしもう速見は行く気満々。早速洋服を探し始めます。

今のこの微妙な2人の空気感に、実家イベントの投入って・・・正直どうなのだろうか・・・？

でも結局、山本・速見2人揃って山本家へ行くこととなります。

速見の緊張が伝わりそわそわする山本ですが・・・

チャイムを押して出迎えたのは何と・・・！兄・・・！！！！！

山本家3人兄弟の長男に、まるで義実家に迎えられる嫁かのような歓迎を受けた後、

2番目の兄の薫を紹介されます。なんと母は仕事でいないと言うことで、

これは本当に山本家兄弟3人と速見が揃う、本当の意味での「お茶会」となったのでした。

緊張が一気にとけた速見・・・。

しかし兄達は2人の影でゴニョゴニョ相談しています。

山本の片思いを応援しいい雰囲気にしたいと言う長男に対し、

パリ出張から戻ってきたと言う次男は、ムードなら任せろとばかりに張り切るのでした。

・・・そんなことを知らない速見は、庭にてアフタヌーンティーのおもてなしを受けています。

兄達2人から、知博はかなり鬼嫁なのでは？や、優しくしてもらってる？と、

ひとしきり質問を受けた後「スキンシップはとってるの？」と単刀直入にぶつけてきます。

知博は乾いたパスタみたいにカッチカチ！と言いながら、

「上司だからとかルールだからとか決め事をしたくて一緒に住んだわけじゃないだろう？」

「二人で楽しまないともったいないよ」と、微笑むのでした。

それを聞いて少しハッとした表情になる速見・・・。

そしてお茶会は進行します。しかしさすがは山本兄弟！？

週末は必ずスイーツと紅茶で癒したいという次男と、

週末は生地から作った餃子で元気出してもらいたいと言う長男の討論が始まり

それを聞いている三男の知博は、ホッとする日常がいいから地味でいいんだと言うのでした。

しかし兄達にマウントを取られまくってスイッチの入った知博は、

「俺が今から作ってみせるよ、本妻のおやつ」ってものを！と

3人の料理対決に発展するのでした・・・。

なんだかんだ楽しく過ごせ、兄を含めて笑顔の速見に安心した山本です。

帰り道に山本は速見に「先輩本当はああいうおやつが好きなんですね」と言います。

そろそろ嫁にマンネリと思ってるのではないか？と疑う山本に、

どこに出しても恥ずかしくない嫁だ！と話す速見。

2人は一緒に笑いあって、いつもまにか普通に話せてる事に安心するのでした。

「山本くんと一緒になる人は幸せだよ」と話す速見。

しかし言葉に出した途端に、それは本音なはずなのになぜか違和感を感じます。

この旦那ポジションが、嬉しいような、でも初めてちょっと切ない気持ちになったような・・・？

そんな心の微妙な変化に気づいたような、気づいてないような、そんな帰り道なのでした。

8話

山本の今欲しいものとは？それは・・・ダイ●ンの1番高い掃除機！

もらうなら物より思い出？いいえ、掃除機。なぜなら思い出は替えががきかないので・・・。

理想のサプライズ？そんなものなしで！あったら理想と違う時喜べなくて損だから。

では・・・ポール●ミスのお財布とかは好きか？

・・・ここまできて、初めて誕生日か何かにリサーチかと気がつく山本です。

しかしその山本の誕生日はすでに過ぎています。速見は、先週社員食堂で

事務のおばちゃんが山本に誕生日をあげているのを見て、初めて知ったのでした。

言ってくれればいいのに・・・と、落胆する速見ですが、自分からは言わない主義の山本なので

出遅れてしまったものの自分なりにきちんとお祝いしてあげたいと思うのでした。

土曜の定期掃除の後のお茶を終えてくつろぐ2人。速見は、山本は明日大学の友達と出かけるため

その後の予定は空けておいて欲しいとお願いします。

もうその発言から何かを感じとった山本は、お構いなくと申し出しますが、普段はクールな（？）速見が

一所懸命サプライズをしようとデコったり、何かプレゼントを自分にするかもと考えると

それはそれで見てみたくなる山本です。

一方、速見は速見で、自室に戻り真剣にプレゼントを考えていました。

家事の疲れを忘れられるプレゼントがいいので、エステ券？マッサージ？いっそ遊園地？あれこれ考えます。

そこにテレビからは「いつも頑張っている奥様へ！旦那様がドレスアップのプレゼント」という

奥様ビフォーアフターの番組が・・・！それをみて何かを閃く速見。

早速、翌日山本と待ち合わせし、洋服屋にあちこち連れて行き仕上げはヘアサロンへ。

すると何と・・・普段のシンプルな山本とはうってかわり、まるで王子様のように生まれ変わった山本が！

しかし「このまま食われそう」という山本。速見は、山本は普段倹約家だから

こういう贅沢は自分からはしないのではないかと思ったと、でも無理させてたらごめんと正直に話します。

続けて、夜景の綺麗なレストランに行き、はしゃぐ山本を見ながら速見自身もお酒を飲み楽しい時間を過ごすのでした。

・・・しかし徐々に酔っ払ってきた山本は「結婚願望はあるのん？」と直球に質問してきます。

それにはそこそこと答える速見ですが、奥で食事する老父婦を見て、仲良し夫婦いいなぁと思う時はあると話します。

続けて「理想の夫婦像とかあるの？」と今度は山本に聞き返します。

すると少し無言になる山本。速見はこれまで山本が父の話を一切しなかったことを思い出し、

20代前半でないよねぇまだと話を打ち切ろうとするのでした。

しかし理想だけはずっとあると答える山本。でもそれはお嫁さんにしか教えない秘密なのだと言います。

その帰り道、ずっとこの山本の答えが引っかかる速見。

これは大事なことを自分に打ち明けてくれなかったという寂しさなのか、それとも焦らされるモヤモヤなのか？

通行止めを食らったような気分だ・・・と思うと、それはつまり先に進みたいということなのか？と

自問自答するようになり、モヤモヤが止まりません。

「山本くん」と先を行く山本の手をぎゅっとにぎる速見。

山本は一瞬びっくりしたような表情をしましたが、「またはぐれそうでしたぁ？」とつなぎ返すのでした。

山本は飲んだら記憶が飛ぶタイプなので、思わず「・・・今日のこと忘れないでね」と切なげに伝える速見なのでした。

9話

山本のお誕生日から一夜明けて、速見はまだモヤモヤしていました。

勢いで手を繋いだものの、もし山本がそれを覚えていたらどうしよう・・・と。

お酒のせいにするか、いい女風に誤魔化すか・・・いや、どっちも最低だな・・・、

そう思いもし何か言われても、自分の気持ちもハッキリしそうだしと思うことにしたのでした。

しかしいざ山本と顔をあわせると・・・ 何と山本は二日酔いでダウン。昨日楽しくてつい飲み過ぎてしまったと言います。

そこで速見の方から、昨日のこと覚えているかを尋ねてみるカウンター作戦に・・・。

しかし何と山本・・・レストランのくだりも、玄関の前にいた猫のことも覚えているのに

速見とのことは全く言及せず・・・！思わず唖然とする速見。逆に少し腹が立ってきました・・・。

・・・という訳で会社に行ってもイマイチ本調子の出ない速見は、心なしかため息ばかり。

しかしそんな時に突然上司から告げられる、山本の「独り立ち宣言」。

速見は指導係として山本の面倒を半年に渡り見てきました。しかし次の出張が終わったら山本はもう新人ではなくなるのです！

突然のことにキョトンとする2人ですが・・・なんやかんやあっと言う間に、2人最後の出張の日となります。

出張先の福岡では、イケメンだけどどこか抜けている（？）独特のオーラをまとった「古賀」に、妙に気に入られる速見。

山本的にも、何となく古賀と速見の波長が噛み合って見え、少し嫉妬します。

そんな様子をすぐに察知したのか古賀は山本に「目がかわいい〜って言うとる・・・」と、

速見を見つめる目線について鋭い指摘し、すぐに社内恋愛を見抜くのでした。

しかし古賀からは意外にも「なんかねー2人すごくお似合いやったから」と言われ食い気味に

「勝算ありますか！？古賀さんみたいに落ち着いた人あんまいなくて！周りに！アドバイスとかもしよければ」と言うものの

あっさりないですと言われる始末・・・。しかし、結果としての好きだからそこに行くまでに押したり引いたりして

常に相手を観察しながら、相手が欲しくてたまらんぐらいの顔をした時に一気にガブリと行くんだと言われ

圧倒される山本なのでした・・・。結局、とりあえず下の名前で呼んでみるのはどうかと言われましたが・・・？

その後、無事に仕事を終えて帰りの飛行機の中で山本は、今日までありがとうございましたと

丁寧にお礼を述べるのでした。そしてお礼は改めて・・・と言いかけたところで、速見はジト〜っと山本を見つめます。

速見的にはそもそも山本が誕生日の夜の出来事を忘れていたことから、モヤモヤしていたため

突然お礼されると、そこについての言及もできなくなると勝手に膨れるのでした。

そして膨れる理由については「・・・教えない、自分で考えてください」と言われた事にショックを受ける山本。

しかし速見的には、なんだかオロオロする様子の山本も可愛いなと思うのでした。

山本は「・・・こっち向いてくださいよ穂花さん」と呼んでみると・・速見は乙女全開の顔で思わず振り向きます。

2人の関係も何か変わっていくかもしれない・・・そう思えた瞬間なのでした。

営業４年目・26歳のはやみんは、仕事はバリバリとこなしているが、家では汚部屋で暮らすズボラモンスター。そんなはやみんに淡い想いを寄せる後輩の山本くんは、圧倒的な家事スキルを持っていた！ はやみんは山本くんをお嫁さんとして迎え入れ、ルームシェアを開始。なんだか二人の雰囲気も、少しずつ変わり始める予感…！？
天然女子×オカン系年下男子の、笑いとトキメキたっぷりハイテンションラブコメディ、ますます見逃せない第３巻！

10話

ルームシェアを山本と始めて3ヶ月がすぎようとしています。

何気ない日常ですが、速見は山本のことを意識するようなことが増えてきて、それに対して鈍感山本は

そのギクシャクした（？）様子を、何か別なものと捉え、母性全開で速見のお世話をするのでした・・・。

シャワー上がりに風邪をひくと髪を乾かしてくれる山本にうっとりする速見。

振り返ると、湯気で顔が赤らむ速見の顔にノックアウト。気持ちいという言葉が、何か別の事を連想させてしまい

恥ずかしくなって山本は突然距離を取り始めるのでした・・・つまり速見にとっての山本も何か変！

もちろん速見からもこの山本の不意打ちの母性にドキドキさせられっぱなしで、次は何なのかとつい気になってしまいます。

そんなある日、大事な電話があるから今晩は絶対に自分の部屋には入らないで欲しいという山本。

速見は友達に相談事か何かなのだろうと考えますが・・・

そうだ自分も！と、高校からの友人「きみちゃん」に自分のモヤモヤを打ち明ける事にしました。

嫁をもらった、すごくいい子で料理が上手いけれど、どういう目で見ればいいかわからない、でも手は出してない会社の後輩！

と、一気に事実を羅列すると、さすがにきみちゃんも情報量の多さについていけていない模様。

同じ頃、山本も、ルームシェアで行き詰まってる、めっちゃ攻めてるけど相手が鈍感、嫁になればこっちのもんと思っていたが一向に進まない。

という話をしております・・・そして山本の相談相手は何と、「古賀」！！！！

山本は古賀からもらったアドバイス通り下の名前で呼んだらすごく手応えがあったと興奮気味に話します。

1回したあった事のない出張先の先輩に恋愛相談だなんて、どう考えても古賀との温度差がある山本・・・。

古賀は淡々と「しつこい男は嫌われるばい」と言って電話を切るのですが、山本は押してダメなら引いてみろか！と解釈するのでした。

一方、速見ときみちゃんの方はというと・・・？きみちゃんは冷静に速見が山本を気になる人として見てるという話に聞こえると言います。

しかしどうもその言葉に速見はしっくりこないよう。なぜなら、気になる人から好きな人になってしまったら

恋愛って終わるものだと思い込んでいるから・・・！山本とふんわりした感じでいつの間にか

終わる関係性にはなりたくないのだと全力否定する速見です。結局きみちゃんからは、もうよくわからんと言われ解散。

しかし速見はこの気持ちに気づくべきではなかったと後悔します。もし恋愛に進んでしまったら

気まずくなるかもしれないし、仕事の先輩なのにって嫌がられる可能性も。そしてお兄さんとの約束も気がかり。

何より、これまで2人で楽しく生活してきたのが壊れてしまうのが嫌だ・・・！

そんな複雑な気持ちを抱えて帰宅すると、古賀との電話を終えた山本は電気付けっ放しで今で寝ていました。

完璧家事人間の山本が中途半端な形で寝落ちするのは初めてで驚く速見。

しかし書き置きで、「二日酔い防止によかったら」と、しじみの味噌汁とドリンクが置かれているのをみて

いつもたくさん自分のために頑張ってくれているのだなぁとしみじみ感じる速見なのでした。

「頼りない旦那でごめんね・・・」そうそっと呟くと、山本は目を覚まします。

しかし今度は速見が逆に寝てしまい、山本は速見の寝顔を見ながらそっと自分の元に引き寄せるのでした。

11話

きみちゃんと会ってからもやはり速見の気持ちはずっと揺れています。

山本への想いが、気になる人ならばまだ引き返せる。山本とはこのまま楽しいルームメイトのままでいいのだと・・・。

そんな速見の暗い気持ちとは対照的に、家ではいたって普通に接しあうことができる関係性。

いつも通りの山本の完璧な家事っぷりと、それを楽しそうにする山本を見て、速見は

山本はこの生活でもやもや悩んだりしないのだろうか・・・？と考えたりするのです。

が、そんな時に突然「えーとですね・・・ちょっと考えたんですけど、俺明日から実家に帰ってもいいですか？」と言われ

自分の生活のズボラさが山本を疲れさせてしまったとショックを受け、その場に崩れる速見・・・。

が、よくよく話を聞いてみると、速見が山本の教育係りを卒業し、いよいよ山本も会社で一人立ちをするにあたり

最初の方は仕事に集中したいため、実家ならば兄弟たちが身の回りのことをしてくれるし

会社にもその方が近いから1週間だけ実家で暮らしてペースを掴んでみたいということなのでした。

それを聞いて少し安心した速見は何か協力できることはないかと尋ねます。

すると照れながら本当にいいんですか？と聞く山本。しかし最終的にはまぁいいや・・・と、結局それを口にせず。

山本が速見の家を離れる日がやってきました・・・！山本の後ろ姿を見送るのはある意味で新鮮です。

と言ってももちろん2人はこの後会社で会うことになるのですが。だから1週間はあっという間だと思う速見。

1日目、2日目・・・と最初の数日間は山本が作り置きしてくれていておかずもあり、

掃除もこまめに心がけ意外と順調。しかし3日目にはすでにおかずのストックが切れてしまい

掃除も一度サボるとどんどん部屋が汚くなってしまいます。お腹が空いた対処法にはピザを頼み、

そして今日は疲れているからとゴミ出しなどを後回しにし・・・こうして速見の生活は悪循環に・・・。

山本はそんな速見の生活を察していました。兄にはもともと1人暮らししていたから大丈夫だと言われますが

実は山本の真の狙いとは・・・・？速見に少しさみしい思いをさせてみたいということ！

古賀の教え「押してダメなら引く」を実践してみたのでした。ストックも早めになくなるように調整し

消耗品の買い置きも、買い置きのありがたみがあるよう多めに使ってから来たと言いますが・・・？

迎えた5日目、速見はついに会社内で山本を見かけますが、山本は忙しそうで結局話せずじまい。

6日目の土曜日にはドッと疲れてしまい、速見は改めて山本のありがたさと存在の大きさを感じるのでした。

夜には山本は何しているのだろう？とか、メッセージ送ろうかな？と考えてもやもや。

するとそこに、バラの花束のサプライズ！まさか山本！？と思ったら、フランスから帰国した山本兄！

なぜだかそのまま家に上がりこみ、結局ご飯を作ってくれる流れになりましたが、ご飯を食べている間

ちょっとずれているフランス流アプローチの仕方と、あまりの癖と押しの強さに疲れてしまい

ついに迎えた日曜日はヘルプの意味を込めて、何時に帰ってこれそうか山本に連絡をする速見なのでした。

そのメッセージを見た山本は、速見が順調に自分を恋しく思っている、かつありがたみを感じたか！とご満悦。

が、ドアを開けると・・・そこにはすっかりゴミ屋敷と化した部屋で、速見は寝込んでしまっているのでした・・・。

12話

ゴミ屋敷と化した部屋の真ん中で体調を崩し寝込んでいる速見を見て絶句する山本・・・。

しかもバラの花束とむせ返るような香水の匂い・・・、速見は兄が訪問してきたことや

その後突然熱が出た事などを説明します。山本が無言のままなので、山本が怒ってしまい

これはついに離婚なのでは！？と暗くなってしまう速見。しかし、山本は病人に怒ったりしないと言い

今日は1日責任を持って看病すると言ってくれるのでした。・・・こうして山本が帰ってきた事により

あっというまに元の綺麗な部屋に戻った速見宅・・・。寝ながら山本の働きぶりを見て、

病気で看病されるなんて小さな頃ぶりだなあと少し嬉しくなります。そして看病される自分が

妙に甘えん坊の自分のヴィジョンで、そのくらい自分が弱っている状態にあると納得する速見・・・。

しかし実際に熱を測ってみると微熱で、喋る元気もあるから1日あれば大丈夫だと

山本は他の家事に集中すべく速見をは部屋に残したまま、自分は退出するのでした。

もちろんそれは自分のご飯を作ってくれるためなのですが・・・なんだか寂しい！

つい速見は「久しぶりにちょっとおしゃべりしたい・・・かな・・・」と言ってみる速見。

「久しぶりって・・・1週間じゃないですか」と驚きつつも、これは少し嬉しい山本です。

こうして山本は1週間の間の仕事ぶりについて速見に報告します。しかし話を聞いているうちに

うとうとしてきた速見は「山本くんは、一緒にいて楽しい・・・落ち着くし、・・・少し気になるような気もする」と言い

そのまま寝てしまうのでした。もちろん本人は夢か現実か区別のついていない時で無自覚です・・・。

目が覚めると、すっかりスッキリした速見。もうすっかり夜になっていました。

今夜は星が綺麗に見れるとあって2人はベランダから星を眺めます。

速見はふと山本からの視線を感じると、病み上がりでひどい顔しているからあまり見ないでと言いますが、

その一言にも「なんすかそれ、かわいいなー」と思わず本音が漏れてしまいます。

結局、お互いがお互いを妙に意識してしまい「何この感じ」感だけが残る結果に。

ところが、会社での山本は絶好調、上機嫌です。こうして何とか離婚危機（？）は回避した速見でした。

その裏で、山本の同僚「赤嶺」が何やら私怨を燃やしているとは知らずに・・・。

13話

赤嶺は速見に最高の男性を見つけようと、奔走していました。

そんな中、偶然にも古賀とカフェで遭遇した赤嶺。

見知らぬ自分にも気遣う彼の優しい振る舞いを見た赤嶺は、彼の後をつけて品定めを始めます。

すると古賀は赤嶺と同じ会社へ。

どうやら古賀は今日から本社へ異動になったようです。

古賀と速見が2人で話す様子を見た赤嶺は「ぴったりだわ・・・！！」と叫びました。

古賀は福岡支店で営業成績トップの期待のエースだと紹介され、拍手で迎えられます。

その後、速見が古賀と改めて挨拶を交わしていると、山本がやけに親しげに古賀と絡み始めます。

なぜ仲良しなのかとキョトンとする速見。

山本は仕事に集中していた時期に、電話で相談に乗ってもらったのだと説明します。

速見は古賀について出張の時はつかみどころがなく、あまりどういう人か分からないと感じていたものの、相談に乗ってくれたりするんだと少し驚きました。

そしてその日のうちに古賀は社員たちにあっという間に馴染み、気づけば彼の周りには人が集まっていました。

山本曰く、古賀はお兄さんっぽくて甘えたくなるのだとか。

速見も古賀はがっついてないけど説得力があり、彼からなら商品を買いたくなるかもと感じました。

そんな中、速見は古賀と共に新商品の営業企画を任されました。

嬉しい知らせではあるものの、忙しくなりそうだという速見に、山本は夕飯がいらない日は20時までに連絡をするよう要求しました。

次の日から速見と古賀は企画のために、あちこち動き回り、夜は残業することに。

そのため速見は、ご飯はいらないというメッセージを山本に送りました。

そしてようやく仕事が終わり、電車の時間を確認しようとスマホを取り出す速見。

しかし山本から大量の返信メッセージが届いており、驚きます。

その内容は夕飯がいるのかいらないのか、どっちなのか迷っているという内容で一応作ると書かれていました。

それを見て速見は「ご飯いらないからね」って送ったはずだと困惑し、再度メッセージを確認します。

すると速見が送ったメッセージは、「ご飯いらしてね」と変換ミスをしていました。

その後、山本に怒られることを覚悟しつつ、暗い顔で帰宅する速見。

すると山本はムッとした表情でリビングの扉を開け、速見はビクッとしながら、あんな間抜けな打ち間違いをしてごめんと謝ります。

しかし山本は帰り道で何かあったのかと心配していたらしく、速見の姿を見て一安心していました。

その後、速見は山本の作ったご飯を食べました。

洗い物は自分がやるという速見ですが、山本は「俺がやります。疲れてるでしょ」と言います。

そんな山本の優しさに涙を流す速見に、相当疲れてますねという山本。

それを聞いた速見は確かに電車で広告で貼り出されていたキャラクターを見て、うるっときたことを思い出します。

そのキャラクターとは、何でも褒めてよしよししてくれるよしよし犬「およし丸」のことです。

あんなの毎日されたいという速見に、山本は「俺やりましょうか？人間ですけど」と冗談っぽく言います。

そんな山本のことを物欲しそうな顔で、じっと見つめる速見。

後輩によしよしされてもムカつかないかと聞く山本に、速見は分からないと答えつつも、春日にはされたことがあると話します。

それを聞いた山本は急にやる気になり、絶対自分の方が上手いと言って速見の頭をなでようとします。

速見は慌てて皿を置き、目を閉じて頭をなでてもらう準備を整えました。

待ち構える速見の姿に、山本は緊張の面持ちで彼女の頭に手を置き、よしよしし始めました。

普段先輩ぶっているため、無償に照れを感じる速見。

もう大丈夫だと速見が言うと、山本は彼女の頭を優しくなでながら、「疲れたら言ってくださいね。俺にできること何でもするんで」と声をかけました。

速見は優しくなでられたことで癒されたようで、いくらでも頑張れそうな気がしました。

次の日、赤嶺は会社で速見と古賀の様子を見て、不敵な笑みを浮かべ、鼻歌交じりに廊下を歩きます。

そして出社してきた山本に、すれ違いざまに「お前はもう死んでいる・・・」と告げる赤嶺。

その瞬間、山本の体に悪寒が走りました。

どういうことだ、説明しろと恐怖に震えながら赤嶺に問いかける山本ですが、彼女は何も語らず去っていきました。

赤嶺の計画に、この時の速見は全く気付いていなかったのでした。

26歳のはやみんは、仕事はバリバリとこなしているが、家では汚部屋で暮らすズボラモンスター。そんな彼女に片想い中の後輩・山本くんは、圧倒的な家事スキルを持つ家事神だった！ はやみんは山本くんをお嫁さんとして迎え入れ、同居生活を開始。なかなか縮まらない２人の距離にムズムズ！？そして山本くんの同期・赤嶺ちゃんや九州からやってきた古賀さんの活躍で波乱の予感！？
ズボラ女子×オカン系年下男子の、笑いとトキメキたっぷりゆるキュンラブコメディ、面白さ超・加速中の第４巻です！

14話

古賀から「ビアフェス」のチケットをもらう速見。人事の方から営業の方と一緒にいってくれともらったチケットだと言う古賀。

そう、もちろんその人事の方というのは赤嶺・・・！赤嶺は、これで2人の距離を一気に縮めようという作戦です。

しかし古賀もやはり掴みどころのない天然。そんな赤嶺の魂胆は無視で、酒祭りは大人数の方が楽しいと思うと

せっかくのペアチケットなのに他の誰かを誘う事を提案。古賀はそこをたまたま通りかかった山本を誘います。

山本はノリノリで4人以上ならデザートがサービスになると言い、速見は、それならば人事部の赤嶺も誘おう！となったのです。

赤嶺が苦手な山本ですが、速見は会社で初めてできた後輩の女の子だけど、ちゃんと話したことがないから話したいと嬉しそうに言います。

古賀は、その赤嶺からこのチケットをもらったと言い、山本はこれは仕組まれた偶然なのでは・・・？と勘ぐりますが

こうして不思議な組み合わせで4人でビアフェスに行くこととなりました・・・。

山本は赤嶺と同期のため、和やかな会の裏では「おい、赤嶺！今何を考えてる・・・？」と探りを入れようとします。

裏でそんなやりとりが行われている事を知らない速見は、こんな風に会社の人と集まれるなんて楽しいな〜と能天気。

結局お酒が進み、山本の電源が落ちかかってきた頃、赤嶺が自分が強いお酒ばかりを進めてしまったからこうなったと

責任を持って山本をお家に送り届ける！と言い出します。古賀と速見の制止もふりきってさっさと山本をつれて行ってしまう赤嶺。

赤嶺は山本を公園に放置し、全ては作戦通りだとほくそ笑むのでした。

そして古賀と速見は・・・この2人は結局どっちかが酔ったら帰るという酒豪のプライド（？）を賭けてまだ飲んでいます。

赤嶺の言う通り、この2人は合わないようで妙に酒のタイプもおつまみのペースなども合っていて、

だんだん気が合う人物とお互いが認め合うところまできました。どこまで気が合うか試したい、

グラスを置いてと言う古賀の目は真剣・・・そして眠りから目覚め、その2人の様子を見てしまった山本は

ただならぬ空気感を感じてしまいます。気が合うかを試す、その手段とは・・・？

「あっち向いて〜〜〜〜」なんと、酔いが回った状態で、古賀は突然あっち向いてを始めたのでした！！

しかし初回から合わず大爆笑。この古賀の様子に、古賀はすでに酔っ払っていると判断した山本と速見はタクシーを呼びお開きとなりました。

帰りの車の中で、酔っている速見を初めて見たと言う山本。酔っ払っていても記憶はきちんとあると言う話をしていると

速見はふと「覚えてないくせに・・・誕生日のお祝いした日・・・」と少し膨れた態度で言ってみます。

あの日2人は手を繋いだのですが、山本に次の日何もなかったかのように接され、それがずっとひっかかっていたのです。

「あの・・・先輩そんな話するって・・・もしかして俺のこと気になってます・・・？」

突然そんな事を言われると速見は「いいえ」と目を逸らすのですが、山本にそれは気になっているからだ！とグイグイ迫られ

「本気で聞いてるんですけど」と手を握られてしまいます。拒む速見ですが、愛してるよって言うまでやめないと言う山本。

こうして、ついに速見は「気になってるだけだってば！」と言ってしまいました・・・！

17話

まさかの一夫多夫制を山本に予告された速見は、納得できずにいました。

山本のやりたいことならとも一瞬考えましたが、自分が嫁なのに他の子にも愛妻弁当を作って、ドライヤーで髪を乾かしてあげるのを想像しただけで嫌になり、イライラとモヤモヤが募っていく速見。

そのことを友人に相談した速見は、学生ぶりに嫉妬したことを改めて自覚しました。

いよいよ取り返しがつかないことになってしまいそうだと不安になる速見。

友人は何日も帰ってきてない山本を迎えに行かないのかと尋ねます。

速見は何度も今それを想像しているようですが、「どの立場で？何の権利があって？」と山本に問いつめられ、何を答えても論破される姿しか頭に浮かばない様子。

どんな理由なら彼が帰ってきてくれるのか、速見は分かりませんでした。

早朝、山本は赤嶺のために小松菜とバナナのスムージーを作りました。

赤嶺は素直にスムージーを飲み、悪くないと感じます。

しかしふと我に返り、「違う！！」と叫んでスムージーをテーブルに置く赤嶺。

そして赤嶺はすっかり自分の家に馴染んでしまった山本に恐怖を覚えます。

ただの家事オタクと思っていたけど、住人のライフスタイルに合わせて暮らしのお手伝いをしやがってる！？あのビッチ家政夫！

そんなことを考えながら、赤嶺は気を引き締め直し、次の作戦に移ると決意します。

そして赤嶺は山本の好きそうなふんわり美人の写真を何枚も見せつけながら、どの子がいい！？と彼に問いかけました。

さらに「速見さんのことはもう忘れなさい」という赤嶺。

どうせ捨てられたんだからと赤嶺は言いますが、山本は捨てられてないと否定します。

むこうから連絡が来ないのも、多分ショックだったからだという山本。

そんな彼に赤嶺は、大した自信ねと言います。

家事要員でキープされてだけで、そうじゃなければとっくに彼氏にしている、代わりの男なんていっぱいいるという赤嶺。

山本は強く言い返すこともできず、「・・・そんなことねぇよ」と、弱弱しく否定することしかできませんでした。

夕方、速見は佐藤と仕事の打ち合わせを行いました。

すると速見は、いきなり無意識に大きめのため息をついてしまいます。

しかし佐藤は顔色が悪く、速見よりもっと大きめのため息をついていました。

それに気づいた速見は、大丈夫ですか！？と心配します。

すると佐藤は嫁が実家に行ったきり帰ってこないのだと、暗い表情で話し始めます。

普段から頼りない旦那だから怒らせてばかりで、今も迎えに行く資格あるのか考えてしまっているのだという佐藤。

そんな佐藤の話が自分のことのようで、速見の胸にグサグサと刺さりました。

それでも速見は佐藤を励まそうとしますが、彼はこんな年上が必死で追いかけたら気持ち悪いかもしれないとネガティブになっている様子。

そんな彼に速見は、佐藤さんを信じて夫婦になった方なんですから、そんなことを思っていたら結婚しません！と言いました。

すると佐藤は少しポジティブになり「夫婦だから”会いたい”って気持ちだけで十分なはずですよね」と考え直します。

そんな彼の言葉を聞いた速見は「それ、分かりやすくてとってもいい理由だと思います」と目を輝かせながら、佐藤に握手を求めました。

そして佐藤は自分も頑張ろうと思いました。

その夜、赤嶺のスマホに速見から、これから家に行くというラインのメッセージが届きました。

赤嶺は山本に興奮気味にそのことを伝えながら、私と遊びたいのかしら！？とソワソワしています。

その時、インターホンが鳴り、赤嶺は意気揚々と扉を開け速見を迎え入れました。

しかし速見は、ごめんねと謝りながら、赤嶺を素通りし部屋の中へと入っていきます。

そして山本の腕を引っ張り、赤嶺の家から出て行く速見。

外に出たところで山本は戸惑いながら、急にどうしたんですか？と速見に尋ねます。

会いたくなっちゃったと微笑む速見ですが、山本は無言で彼女を見つめます。

速見は論破されることが頭をよぎり、慌てて自分の思いを伝えようとしますが、上手く言葉がまとまりません。

すると山本は、結局を俺をどうしたいんですか？と真剣な目で問いかけます。

そんな彼に速見は「どうって・・・一人占めしたい・・・」と伝えました。

すると山本は意外にもあっさり「・・・分かりました」と答え、速見は「いいの！？」と驚きます。

どうやら山本は速見の行動と先ほどの言葉で十分嫁として愛を感じたらしく、しょうがないから帰ってあげます！と言います。

そして山本は速見に、ただいまのハグをしました。

「まだ家についてないけど・・・」と照れながら少し戸惑う山本に、速見は「家じゃなくて”先輩に”ってことですよ」と返します。

ただいま！と満面の笑みでいう山本。

そんな彼の言葉に速見は思わずドキドキしてしまい、同じ家に帰るとまずい、本当に好きになってしまうと感じます。

（・・・あれ？もうなってるのかな？）

そんなことを考えながら、速見は顔を赤らめながら山本と見つめ合うのでした。

26歳のはやみんは、仕事はバリバリとこなしているが、家では汚部屋で暮らすズボラモンスター。そんな彼女に片想い中の後輩男子・山本くん。圧倒的家事スキルに惹かれ、山本くんを「嫁」として迎えての同居婚（！？）生活を開始したはやみん。なかなか距離が縮まらない二人だったけど、ついに、はやみんは自分の気持ちに気がついて……！？ズボラ女子×オカン系年下男子の、一途な溺愛ゆるキュンラブコメ、恋が動き出す（！？）第５巻☆

18話

山本を家に連れ戻した速見。

自分が彼を好きになっていることを自覚しましたが、変な空気にならないように気を付けようと決意します。

そして速見は混乱しているであろう赤嶺のことが心配になり、電話をかけようとします。

すると山本は説明は自分からしておくと言い、今日くらい2人でゆっくりしないかと提案。

その後、いつものように世話を焼こうとする山本に、速見は内心動揺しながらも、何とかいつも通りに振舞い部屋に入りました。

そして彼を意識して初めて、山本だらけのルームシェアというすごい状況に戸惑う速見。

あんなかわいい子がニコニコプンプンお世話してくれるの？いいの？お金とか払った方がいい？だから家賃払ってるんだっけ！？

そんなことを悶々と考えつつも、速見は頬を叩いて気を引き締めます。

自分にとって山本は気が合ってルームシェアしているお友達。

無理やりにでもそう思わないと、ドキドキして生活できないと感じました。

次の日、古賀と共にそば屋で昼食を食べた山本は、昨日の速見との出来事について話しました。

その話を大人しく聞いてくれる古賀に、今日めっちゃ聞いてくれますね？と言う山本。

すると古賀は「今日は聞く・・・。急にお宅訪問したお詫びの蕎麦やから」と言います。

山本は笑いながら、結局あれきっかけで仲が深まったため、全然気にしなくていいと返します。

そんな彼に、古賀は速見と付き合ってるのかと尋ねました。

それまで楽しそうに話していた山本ですが、「それはないです」と死んだ目で否定しました。

彼はあまり期待しないようにしたらしく、しばらくは今の仲がいい感じで十分だと言いました。

とはいえもうすぐ速見の誕生日のため、さすがにビシッとしたプレゼントをしたいという山本。

そこで古賀に相談を持ち掛けます。

真剣にプレゼントを考えている山本を見て、古賀はピュアなんだと感じました。

しかし山本は仲良し感を保ちつつ、他のやつとは一線を画し「あれ？この人アリかも」と思わせるプレゼントは何かと悩んでいるようで、古賀はピュアではなかったと思い直しました。

そして古賀は、今電話してほしいものを聞いてみたらどうかと提案。

山本はドキドキしながら速見に電話をかけますが、彼女は通話中で出ませんでした。

その頃、速見は赤嶺に電話をかけていました。

速見は昨日のことを謝りつつ、ゆっくり話したいので仕事終わりに時間はあるかと尋ねます。

赤嶺はお気遣いありがとうとお礼を言うも、山本からも連絡が来たから大丈夫だと断ります。

「もう全部わかってるので・・・山本のこと手放したくないんですよね？」という赤嶺。

赤嶺は今回のことで山本の家事力がよく分かったらしく、あんな風に生活を浸食されたら冷静な判断ができないだろうと言います。

そして赤嶺はこれだけは確認させてほしいと前置きしつつ、家事要員として手放したくないのであって、あいつに特別な感情はないんですよね？と問いかけました。

速見は激しく動揺しながら、もちろん！と答えました。

しかし赤嶺は速見の声が裏返ったことに気づきます。

速見は慌てて誤魔化そうとしますが、言い訳が通用しそうにないことを察し「山本君には内緒で・・・どうか・・・」と顔を赤らめながら白状しました。

それを聞いた赤嶺は、ショックのあまりスマホを落としてしまいます。

そして赤嶺はそのまま会社を出て行き、車を飛ばしながら「これからどうやって生きていけばいいのよー！！」と叫びました。

その日、夜遅くに会社を出た速見は、山本がもう寝てるかもしれないと思いながら帰宅します。

しかし山本は起きており、いつも通り明るく速見を迎えました。

そんな彼に速見はときめきながらも、平常心を心がけます。

すると山本はちゃんと先輩の気持ちを聞いておきたいと、真剣な顔で話し始めます。

遠慮とか年の差とか関係なくいってほしいと前置きする山本に、何の話かとそわそわして目をそらしてしまう速見。

そして山本は、先輩がほんとに欲しいものって何ですか？と尋ねました。

しかし速見は自分の誕生日のことを忘れているようで、どういう意味かと困惑し、色々な考えを巡らせます。

そして真剣な山本の空気感から「ほんとは俺のこと欲しいくせに・・・」という彼を想像してしまった速見は、少し顔を赤らめながら、欲しいものなんてないよと言いました。

すると山本は、じゃあしたいことあります？と聞きます。

彼がどこかに出かけたいのかもと考えた速見は、みんなで遊びたい！と答えました。

家で2人きりだと変なことばかり考えてしまうのもあったため、お互い呼びたい人を呼んで野外でバーベキューがしたいと適当にリクエストする速見。

山本は「なるほど・・・分かりました」と返し、去っていきます。

速見は何とか誤魔化せてよかったとホッとしました。

19話

速見たちはキャンプ場のキャビンにやってきました。

彼らはここで1泊するようです。

山本と2人きりだったらガチガチに意識していただろうと感じる速見ですが、山本の長男正海と次男薫、そして友人の高橋君子も一緒なので安心していました。

なぜこの5人になったかというと、速見が高橋をキャンプに誘った時、彼女ができれば山本の兄2人を指名したいと言ってきたのです。

どうやら高橋は、速見がお茶会のことを話したら彼らにとても興味を持ったらしく、もしかしたら山本家の中で嫁探しをするつもりなのかもしれないとのこと。

山本はこの旅行の目的は速見の誕生日を祝うことなので戸惑いましたが、それを言い出すこともできず、お見合いキャンプのような状態になってしまいました。

そのためキャンプ中は高橋と兄2人が話し、速見と山本は自然と2人きりという構図になってしまいます。

山本にときめくことを避けたい速見は、兄たちが担当するという薪割りを自分も手伝うと申し出ました。

ということで薫にアドバイスしてもらいながら、初めての薪割りにチャレンジする速見。

しかし薫はアドバイスしている途中で、キャンプ客の女性に見とれてしまい、動揺した速見は斧を持ったままグラついてしまいます。

すると山本が「あぶな・・・！」と言いながら、速見を後ろから支えました。

そんな彼の行動にときめいてしまう速見。

山本はそのまま薪の割り方を速見に教え、速見は無事に薪割りを成功させました。

笑顔でハイタッチを求めて手をあげる山本。

速見は（も～太陽みたいな笑顔やめて～！）と心の中で嘆きながら、彼の手にタッチしました。

そして速見は、今日の山本が頼もしいと感じます。

いつもだけど、いつものかわいい嫁感じゃなくて・・・。

その時、高橋が突然速見の背後から現れ、今日は山本と寝るのかと尋ねました。

速見は驚きながら、高橋と2階で寝ると答えます。

そしてお兄さんたちとはどんな感じなのかと、高橋に聞く速見。

高橋は楽しそうな人だから会ってみたかっただけだと言いますが、あわよくば嫁にという気持ちも8割5分あるようです。

そして高橋は山本3兄弟の印象について語り始めます。

高橋にとって正海は明るくて優しくて頼れそうだと感じるものの、ノリが合うのか若干不安なようです。

薫はスマートで話題も豊富でカッコいいのですが、女一人で満足するのか莫大な不安があるとのこと。

そして山本については、苦労したのか色んなバランスがちょうどいいという高橋。

速見にまで振り回されて可哀そうだから、幸せにしてあげな、あんな出来た子逃したら30代で死ぬほど後悔すると思うよと高橋は言いました。

速見はまだ自分でも本気で好きかどうか分からないと言いますが、高橋は初恋じゃあるまいし分かるでしょと返します。

しかし速見は、今までふわふわと受け身で恋愛してきて、自分からちゃんと好きになるのは初めてなのだと恥ずかしそうに打ち明けました。

すると高橋は、そんな大事な相手なら尚更自分の気持ちから逃げない方がいいんじゃないかと言い、頑張れと速見を応援してくれました。

とはいえ、速見はいつどこで何をどんな風に頑張ればいいのか分かりませんでした。

その夜、速見たちは夕飯を食べ始めます。

料理は山本3兄弟が作ったようで、どれが一番おいしいかと兄たちが速見に聞きました。

速見はビーフシチューと焼きリンゴを乗せた料理がまた食べたいくらい好きだと答えます。

それはどちらも山本が作ったものだったらしく、兄たちは落ち込み、高橋はまた作ってもらえばいいじゃんとニヤニヤしながら速見に言いました。

速見は無意識に旦那バカで恥ずかしくなりました。

そしてご飯を食べ終わった時、山本がこっそり速見を呼び出し、夜待ち合せしないかと誘いました。

速見はダメなどと言えるわけもなく、誘いを受けましたが、時間が来るまで落ち着かない様子。

待ち合わせの15分前になりましたが、部屋で待っていても落ち着かないので、外の空気を吸うことにしました。

しかし待ち合わせのデッキにすでに山本が来ていることに気づき、速見は彼に声をかけます。

すると山本は驚いて「まだ見ないでくださ・・・」と焦りますが、速見はそのデッキが山本の手によってオシャレに飾り付けられているのを見てしまいました。

山本は盛大にお祝いして彼女を驚かせるつもりだったようで、失敗して落ち込んでいる様子。

速見は彼が誕生日のお祝いをするつもりだったことを知り、これまでのことを思い返して色々とごめんなさいと謝ります。

その一方でサプライズに失敗して落ち込む彼の姿が、ちょっと可愛いと感じる速見。

さらに山本は誕生日のお祝いをどうするかとても悩んだのだと打ち明け、家にプレゼントも用意してあると言います。

そして山本は、誕生日おめでとうございます！と改めて速見を祝福しました。

速見はお礼を言いながら、過程とかその時の気持ちを教えてくれるのは豪華なプレゼントより何倍も嬉しいと感じました。

すると満足した山本は、風呂上りにこんな寒いとこに呼び出してすみませんと謝りながら、部屋に戻ろうとします。

しかしせっかくこんなに頑張ってくれたのに、もう少し話したいと感じた速見は「あと5分くらいなら・・・」と、彼を引き止めました。

それを聞いた山本は素早く速見の隣に座り、無言で彼女をじーっと見つめます。

速見は動揺しながら、寒いならかけていいよ！とブランケットを彼の肩にかけます。

すると山本は速見に密着しながら、そのブランケットを半分彼女の肩にかけ、これでもいいですか？と問いかけました。

速見は顔を赤らめながら「はい・・・」と答えます。

緊張するものの、くっついていると安心もするような気がしました。

困ったな、こんなのどうしても好きだと思ってしまうと考え、ドキドキしながら目を瞑る速見。

山本はそんな彼女の顔を見つめます。

速見も山本の視線に気づき、2人は今にもキスをしそうなほどの距離で見つめ合いました。

しかし次の瞬間、どこからか誰かの大きな歌声が聞こえ、ビクッとする2人。

どうやら正海が風呂に入りながら、デカい声で演歌を歌っているようです。

大音量の歌声が響き渡り、2人のムードが台無しになったため、彼らは部屋に戻ることにしました。

速見と山本はこれまでキスできそうなほど近づいたことがなかったため、内心お互いドキドキしていました。

そして速見は結局このキャンプで、自分の気持ちを再確認してしまったのでした。

20話

にぎやかなキャンプが終わり、速見は山本といつもの家に帰ってきました。

そして改めて山本が速見にプレゼントしたのは、年末までにほしいと言っていた着る毛布でした。

速見は喜び、おかげさまで冬が越せると言って山本に感謝します。

温かいですか？と聞く山本に、速見は機能性すごいよと答えつつ、入ってみる？と毛布を広げました。

山本はキョトンとした後「・・・いえ」と断り、速見は変質者みたいな誘い方ごめんと謝りました。

速見と山本はキスをしそうなほど近づいた時のことは、お互い話題に出さずにいました。

速見はあの時ドキドキしましたが、山本がどう思っているのか気になっている様子。

すると山本はコンビニに行って来ると言って、部屋を出て行きます。

速見は心の中で高橋の妖精に、何でそこで聞かないの！頑張れ！年上の色気で落とすのよ！と言われましたが、今更彼の落とし方など分かりませんでした。

次の日、ため息をつきながら歩く赤嶺の元に、キラキラした速見がやってきて、今からお昼に一緒に行ってもいいかな！？と誘いました。

そしてお昼を食べながら、速見は赤嶺にどうやったら積極的に行動できるのかと恋愛相談を始めました。

そんな速見にキュンとする赤嶺。

すると赤嶺は、自分の速見への行動は推し活なので恋愛は専門外だと言いつつ、デートに誘うのが切り出しにくければ、クリスマスのようなイベントを利用するのはどうかと提案します。

それを聞いた速見は、山本とクリスマスを一緒に過ごしたいと思いました。

しかしクリスマスの予定を聞いたら、好きなのがバレるんじゃないかと気にする速見。

そんな速見の上目遣いに赤嶺はキュンキュンしつつも、複雑なオタク心を抱えているため「くたばれ山本・・・！」と口走ります。

そして赤嶺はルームシェアならお互いの予定は知っておくべきだから、クリスマスの予定を聞いても好きだとは気づかれないのではないかと言いました。

速見はご飯の都合もあるし、それなら自然に聞けそうだと安心し、山本に頑張ってクリスマスの予定を聞くことにしました。

その夜、速見は意を決して口を開きますが、いきなり噛んでしまいました。

動揺を抑えつつ、クリスマスの予定を聞こうとするも、なかなか緊張してクリスマスという単語が言い出せない速見。

それを察した山本が、クリスマス？と自ら尋ねます。

速見が友達やお兄さんたちと予定はあるかと聞くと、山本はないと答えます。

すると速見は顔を赤らめながら「い、一緒にいませんか・・・？」と聞きました。

山本は少し驚いたような顔をした後、「そっちか・・・！！」と言いながら、力が抜けたように体を傾けます。

そんな彼の予想外のリアクションに、え！？どっち！？と驚く速見。

山本はキャンプの後、速見に警戒されていたため、クリスマスも予定があると言われて、一瞬釘を刺されるのかと思ったようです。

警戒なんてしてないという速見ですが、してましたよ！と強い口調で反論する山本。

彼女は帰り道も山本の兄たちとばかり話していたらしく、山本は前日に自分が急接近したから避けられているのだと気づいていたようです。

速見が避けたのは彼を意識していただけですが、子供みたいな態度でごめんと謝ります。

そして2人は24日に何をするか楽しく会話を始めます。

そんな中、速見はふと「・・・私でいいの？」と尋ねました。

しかし山本は速見の顔をじっと見つめながら、沈黙してしまいました。

速見は明るい会話の流れで返事が返ってくると思っていたため、山本の沈黙に動揺します。

すると山本は「旦那のくせに何も知らないんですね」と言って、少し拗ねたような顔をしました。

そして山本はクリスマスみたいな特別な日に、先輩が食べたいものとか行きたいところばっかり考えちゃうのだと言います。

他の人なんて頭にないくらい、大事に思っているのだと照れ臭そうに告げる山本。

そんな彼の言葉に速見は驚きます。

そして大事に思っていると言われたことを喜び、クリスマスまでいっぱい噛み締めておこうと思いました。

それから時は経ち、24日になりました。

夜は山本と待ち合わせをすることになっており、ご機嫌に歌を歌いながら仕事をする速見。

するとその時、古賀がやってきて、今から大阪へ日帰りで出張なのだと話しました。

実は速見と古賀が一緒に担当した家電イベントで、トラブルが発生したため、急遽出張しなければならなくなったようです。

部長には一人で行くと言ったという古賀に、自分も行かせてほしいと頼もうとする速見ですが、夜の予定を思い出して頭を抱えます。

その様子を見た古賀は、山本もご機嫌に歌っていたことを思い出し、それでここ最近速見も珍しくポーッとしていたのだと気づきます。

ヘルプに行ってポーッとされても困るので、今日は残っていいという古賀に、切り替えるから大丈夫だと返す速見。

すると古賀は「それなら行く前にちょっと活入れてもよか？」と言いました。

一方山本はご機嫌に夜に行くイルミネーションの場所をチェックしていました。

そして速見の元へ行こうとする山本。

しかしその時、古賀が自分といるときは山本のことを考えるのは禁止だと速見に言っているのを、聞いてしまいます。

今日は自分にとっても大事な日だから、こっちを向いてくれないと困るという古賀。

速見はもう少し声を抑えてほしいと小声で言いますが、古賀は構わず「フラフラせんって約束できると？」と普通の声で問いかけます。

そして速見は顔を赤らめながら、「・・・はい」と返事をしました。

その様子を見て呆然とする山本。

速見は新幹線に乗り込みながら、まさかのイブ出張となったことを、山本にLINEで知らせました。

何時に終わるかは分からないものの、急げばご飯くらいは一緒に食べられるはずだと考える速見。

今は山本と一緒に楽しいクリスマスを過ごすために、仕事に集中しようと決心しました。

21話

大阪に到着した速見は古賀と共にバタバタとせわしなく動き、無事にトラブルを解決しました。

そして速見は時間を確認し、まだ山本と遊べる時間は作れそうだと安心します。

しかし古賀が大阪を食べ歩きしようと言い出しました。

そんな彼の言葉にギョッとする速見。

その顔を見た古賀は、まさか先輩の誘いに付き合ってくれないのかと寂しそうな顔をします。

ピアフェスの夜の相性の良さが忘れられないのだという古賀に、速見は謝りつつ、今日は本当にダメなのだと青ざめながら断ります。

しかし古賀はからかっていたらしく「嘘よ。涙目にならんでも・・・」と言って、微笑みました。

さらに古賀は、クリスマスプレゼントを速見に渡します。

約束通り仕事に集中してくれたからという古賀ですが、速見はそんなことないと否定し、むしろ威勢よくついてきたわりに古賀に頼りっぱなしだったと言います。

すると古賀は、ちゃんと頑張っていた、一緒に仕事してるのが速見でよかったといつも思っていると告げて、一人で食べ歩きに向かいました。

速見はそんな古賀について、大人の余裕があって仕事もできて、社会人としても素敵だと感じます。

そしてこんな旦那になりたいと思った速見は、今度山本に全く同じことを言おうと考えるのでした。

その後、急いで東京に戻った速見は、山本との待ち合わせ場所に向かいました。

無事に会うことができ、間に合ってよかったと安心する速見。

速見がご飯をどうしようかと相談すると、山本は今日はイルミネーションだけ見て、夕飯はテイクアウトにしないかと提案します。

どちらもしていたら歩き回らなきゃいけなくなり、出張帰りにそれは疲れるんじゃないかという山本。

速見は待っている間に色々考えてくれていた山本の優しさを感じつつ、その提案を承諾しました。

そして山本が見つけたという穴場スポットに移動することになり、2人は話しながら歩き始めます。

道の途中で階段がありましたが、速見は霜で靴が滑りそうだと不安になります。

すると山本が無言でサッと手を差し出し、速見を助けてくれました。

速見はサラッと助けてくれた世話焼き王子の山本にキュンとしました。

好きになったらこんなちょっとした優しさが嬉しいんだなと感じる速見。

それともそういう人だから好きになったのかな・・・。

その後、2人は穴場スポットに到着しました。

しかしそこはイルミネーションはほとんどなく、おじいさん一人と野良犬しかいない寂しい場所でした。

山本は穴場すぎたとショックを受け、速見は野良犬がまだいたことに少し感動しました。

そして夜景の見える場所に移動した山本は、本当にすみませんと速見に謝ります。

画像ではもっと綺麗だったんだという山本に、速見は味わい深かった、ああいう場所は好きなのだとフォローします。

すると山本は、あの古賀と出張していると思うと、色々気にしすぎてしまったのだと打ち明けます。

そして山本は速見が持っている紙袋を指し、どうせ古賀さんにサラッと渡されたんでしょ？と言い当てます。

しかもそのお菓子はクリスマス限定のレアなものだと、朝のニュースで見たという山本。

あの人たらし術を喰らった速見に王道ド定番のイルミネーションを見せたら、「1年目って感じ(笑)」と思われるのではないかと考えてしまったらしく、山本は自分のことを面倒くさい男だと言って落ち込みます。

そんな彼に速見は、全然豪華なイルミネーションじゃなくていい、一番楽しいと思うのは山本が笑っているときだと言いました。

イブなのにそんなのでいいのかと返す山本に、速見は「それがいい」と言って微笑みます。

その時、雪が降ってきました。

速見はコーヒーを買ってくると言い、一人で自販機に向かいます。

その間、山本はベンチで先ほどの速見の笑顔を思い出し、噛み締めます。

「あ～落ち着け・・・家に帰るまでがイブだから。でもやべ～さっきの破壊力・・・好きすぎる・・・」

山本がそんなことをブツブツつぶやいていた時、背後に突然速見が現れました。

彼女に気づき、驚く山本。

速見は驚かせようと思ったようですが、山本の好きすぎるという言葉が聞こえていたようで、何の事だろうと考えます。

すると山本は顔を真っ赤にしながら「先輩のことです」と言います。

そして山本は「俺は先輩の嫁だけど、彼氏になりたいと思ってます。ずっと！」と、ついに思いを打ち明けました。

そんな彼の言葉に、何が起きているのかと混乱する速見。

山本は独り言聞かれるとかマヌケすぎる、恥ずかしすぎて言ってしまったと恥ずかしそうに言います。

「やばい頭が追い付かない・・・」

そう言って頭を抱える山本。

速見はこっちのセリフだと心の中で突っ込むのでした。

26歳のはやみんは、仕事はバリバリとこなしているが、家では汚部屋で暮らすズボラモンスター。そんな彼女に片想い中の後輩男子・山本くん。圧倒的家事スキルに惹かれ、山本くんを「嫁」として迎えての同居婚（！？）生活を開始したはやみんだったが、クリスマスを一緒に過ごす中、山本くんの「好き」という言葉をうっかり聞いてしまい、大混乱！！ふたりはお付き合いできるのか！！？　ズボラ女子×オカン系年下男子の、一途な溺愛ゆるキュンラブコメ、第６巻☆

22話

彼氏にもなりたいと思っていると山本に告白された速見。

何か返事をしなければと考えるも、全く言葉が浮かんできません。

すると山本はスッと立ち上がり、今日はネカフェに泊まって、そのまま会社に行くと告げます。

今先輩のことで頭がぐちゃぐちゃで、家に帰ったら暴走しそうだと言う山本。

そして彼は謝りながら、その場を去っていきました。

速見は彼が初めての旦那に尽くし過ぎて、好きと思い込んでいるんじゃないかと疑います。

こんな自分のどこをいつから、好きなのか分からないと速見は困惑していました。

その後、ネカフェにやってきた山本。

しかし一人でデレデレしているところを速見に目撃され、ドン引きされている場面が頭に浮かび、恥ずかしさで絶叫していました。

次の日、速見は会社で古賀に遭遇し、昨日どうだったかと聞かれました。

速見はしどろもどろになりながら、2人でイルミネーションを見に行った、楽しかったと思うと話しますが、古賀は昨日あげたお菓子の感想を聞いたつもりだったと謝りました。

そんな彼の言葉に速見は顔を真っ赤にしながら、非常においしくいただきましたと返します。

古賀は今のは本当にからかったわけじゃないと弁解しますが、速見は恥ずかしそうに、そそくさと去っていきました。

その直後、山本が古賀の元にやってきて、速見に告白したことを伝えました。

しかし彼は速見にあんな形で告白してしまったので、ちゃんと気持ちが伝わったか不安らしく、適当な気持ちと思われたら困ると言います。

古賀は先ほどの速見を思い出しながら、あれは大成功のリアクションっぽいと感じつつ、「山本君なら大丈夫よ」と励まします。

それにもしフラれてルームシェア解消になったとしても、俺の家で味噌汁作ってもらうという古賀。

山本は不吉なことを言わないでくれと怒り、帰るのがますます怖くなってきたと嘆きました。

そして仕事帰り、速見はケーキ屋でレモンタルトとチョコケーキとプリンを2つ購入しました。

山本から今日はちゃんと帰るとメッセージが届き、そのまま逃げられなくてよかったと安心する速見。

まだどんな顔をすればいいかわかりませんでしたが、お互いの気持ちをちゃんと話したいと感じました。

その後、速見と山本は家の前で遭遇し、2人は少し気まずそうに挨拶をかわして、家に入ります。

そして速見が買ってきたケーキを食べながら、山本は昨日のことは本気だと改めて伝えました。

速見は照れながら、ありがとうとお礼を言います。

すると速見は、今の気持ちをどう伝えたらいいか今日ずっと考えていたのだと前置きしつつ、「宝くじで1億当たった」というのが一番近いと告げます。

そんな彼女の言葉に、キョトンとする山本。

いいの！？って気持ちと、振り込まれるまで実感が湧かない気持ちと、今の生活が変わるかなという不安もあるのだという速見ですが、山本はよく分かっていない様子。

速見はつまり嬉しすぎてパニックになっているのだと言い、自分も山本のことが好きなのだと伝えました。

そんな彼女の言葉に呆然とする山本。

もしかしてバレてた？と尋ねる速見ですが、山本は「あ、いや全然」と否定します。

彼は速見に話のついでのようにふわっと返事をされ、まだ状況が呑み込めていないようです。

速見はしまらない返事でごめんと謝り、彼女になっても頼りなさそうだとつぶやきます。

しかし次の瞬間、想いが溢れた山本は突然立ち上がり、勢いよく速見を抱きしめながら「先輩、大好きです・・・！」と言いました。

さらに明日会社を休むという山本に「ダメだよ・・・」と返す速見。

山本は「ずっとこうする・・・」とつぶやきます。

速見は好きになった理由とかいろいろ話したいことがありましたが、これからゆっくり伝え合っていければいいと感じました。

次の日、山本は付き合うにあたって、この家での新ルールも決めようと提案します。

山本は速見が今の生活が変わるか不安だと言っていたため、不安を残して自分だけはしゃぎたくないらしく、年末にちゃんと話し合いをしようと話します。

速見は（こういうところが山本君だなぁ・・・）と感じました。

そして仕事で一足先に家を出ようとする山本に「頑張ってね」と笑顔で告げる速見。

すると山本は、行ってらっしゃいのキスは？とおねだりしました。

速見は驚いて顔が赤くなり、山本はさすがに調子に乗り過ぎたかと笑います。

しかし速見は、彼女としての初任務を頑張ると意気込みます。

そんな彼女の言葉に山本は、良いんですか！？と驚き、顔を横に向けて目を瞑りました。

速見はゴクリと唾を飲み込み、意を決して山本の頬にキスをしました。

山本は「ヤバい・・・今日めちゃくちゃ頑張れそうです」と照れたように言いながら、家を出ていきました。

そして速見はドキドキしながら「・・・心臓が持たない。嫁 兼 彼氏・・・」とつぶやくのでした。

23話

速見は年末用にこたつを買いたいとおねだりしましたが、山本は即却下しました。

世の中にはこたつを持って良い人間とそうでない人間がおり、あなたは後者だという山本。

速見は散らかさないようにすると説得しますが、山本は絶対ダメだと拒否し、欲しいなら自分の部屋に一人用のこたつを買ってくださいと告げます。

すると速見は、年末山本とゴロゴロしたかったとつぶやきます。

そんな彼女の言葉にピクっと反応し、別にゴロゴロしたくないとは言ってないという山本。

すると速見は、突然自分の実家に遊びに来ないかと山本を誘いました。

ちょうど年末顔見せしようと思っていたし、山本も紹介できるし、こたつもあるし一石二鳥だという速見。

しかし山本の顔はかなり強張っており、速見はもちろん無理にとは言わないと気遣います。

それでも山本は決心したような顔で、彼氏だから行かせてほしいと告げました。

そんなわけで、速見は山本と一緒に日帰りで帰省することになりました。

電車の中で実家へと向かう中、なんて紹介すればいいかと悩む速見。

山本は自分が率直に言うと話し、挨拶の練習を始めます。

そんな彼を見て、フフッと笑う速見。

何笑ってるんすかと問いかける山本に、速見は「いやぁ、なかなか良いもんだなって」と答えます。

そんな彼女に、山本はおじさんみたいだと突っ込みました。

そして実家に到着した速見たちですが、そこには母と姉はおらず、父しかいませんでした。

どうやら母と姉は追いかけているグループの年末のゲリラライブに行ってしまったようです。

速見はみんなでワイワイ話せると思っていたのに、大丈夫かなと不安になりました。

そして3人はこたつに入り、父はお茶を淹れ始めます。

お父さんってお茶淹れられるんだねという速見に、お母さんの毎日見てるんだから当然だろと得意げに言う父。

そんな中、山本は練習通りに挨拶をしようとしますが、お茶を飲んだ速見が「苦っ・・・何この罰ゲームみたいなお茶！？」と言いながら、激しく咳込みました。

速見は自分がお茶を淹れ直すと立ち上がり、父も山本に謝りながら、台所に向かいます。

そしてリビングに取り残された山本は、速見と父の様子をハラハラしながら見守ります。

しかし結局我慢できなくなった山本は、自らお茶を淹れ、父が作りかけていたお菓子も完成させました。

君は料理人なのかい！？と驚愕する父。

山本は小さい頃からやってただけだと謙遜し、お父さんが調べてくれたレシピが分かりやすくて助かったと話します。

そんな彼に父はかなりキュンとした様子。

速見は改めて山本を紹介しようとしますが、父はちょっと待ったと止めに入ります。

そして父は「山本君をお父さんにもください」と速見に土下座しました。

速見は、あげるわけないでしょ！と怒りました。

その後、山本と自分の部屋で2人きりになった速見は、変なおじさんでごめんねと謝ります。

父は昔からお客さんが来ると楽しくなって興奮してしまうらしく、ちょっと一人にすれば落ち着くと思うという速見。

しかし山本は先ほどの父の発言について、遠回しに「娘はやらん」と言ってないかと不安になっていました。

速見は、ないない！と否定しますが、山本は全然彼氏らしいことができてないと、自分の行動を振り返って落ち込みます。

そんな彼の姿を見た速見は致し方ないとため息をつきながら、卒業アルバムを取り出しました。

そこに載っている彼女の個人写真は、なぜか目がパンパンに腫れて半開きになっています。

実は前日にドラマで号泣してしまったらしく、アルバムの撮影を忘れていて冷やさなかったら、こんな仕上がりになってしまったとのこと。

するとその写真を見た山本は爆笑し始め、速見のおかげで元気を取り戻しました。

その夜は夕飯に父がとった寿司を、3人で食べることになりました。

そんな中、父は「穂香がこんなしっかりした子と付き合うとはね・・・」としみじみ言います。

さっきはつい嬉しくて、はしゃいじゃってごめんねと山本に謝る父。

穂香のお世話は大変でしょという父に、山本は自分にも直す部分はたくさんあると言います。

そして彼女といると楽しい、良いところも悪いところも見つけ合って、支え合っていけたらと思っていると真剣な顔で話す山本。

速見は結婚報告みたいだと感じ、その場が静まり返りました。

すると山本は気まずくなったのか、お茶を淹れると立ち上がります。

何回もやらせるわけにはいかないと断る速見ですが、山本は「・・・俺が覚えたいんですよ」と言いました。

そんな彼の言葉に、速見と父はキュンとしてしまいました。

そして山本が台所でお茶を淹れる中、父は速見に「山本君を連れて来てくれてありがとうな」と感謝します。

速見は微笑みながら「うん」と返しました。

その後、実家を出て歩き始めた2人。

速見が緊張した？と尋ねると、山本は「そりゃあ・・・でも楽しかったですよ」と答えます。

彼の両親は忙しかったらしく、速見の家族は距離が近くて温かくて、こういう年末も良いなと感じたようです。

すると速見は、それがこたつの力なのよと言います。

それを聞いた山本は、かなり驚いた顔をしました。

買うとは言ってないと口では否定していた山本ですが、大晦日には念願のこたつが2人の家にやってきました。

とはいえ1週間レンタルセットらしく、正月が終わったら撤去するようです。

テレビで年越しを迎える中、速見は眠くなったようで、こたつの中で横になります。

速見が枕を買えばよかったと言うと山本は、彼女の横に寝そべり「こんな枕でよければ」と腕を差し出しました。

そして速見は山本の腕に頭をのせます。

速見はあまりに近い距離に照れながらも、彼と付き合っていることを実感しました。

すると速見は実家に行ってみて、付き合うということは新しい山本をどんどん知れることだと感じたのだと話します。

恋愛になったら、色々変わるかと思っていたけど、今日は前向きに考えられたという速見。

しかし山本は気づいたら、そのまま眠ってしまっていました。

速見は山本の寝顔を至近距離で眺めて、少し興奮しそうになり、自分を落ち着かせます。

さらに彼の髪を撫でながら、今年は2人で何をして過ごそう、こんなにワクワクするのは今だけなのかな、大事にしたいなと考える速見。

そして速見は心の中で、今年もよろしくねと山本に言いながら、彼の腕の中で眠るのでした。

24話

年が明けてあっという間に時間は過ぎ、バレンタインが目前に迫っていました。

速見は付き合って最初のバレンタインだと考えながら、山本が「俺の愛受け取ってくれますか？」と言って、豪華なチョコレートを作ってプレゼントしてくれる姿を妄想します。

しかしその瞬間、テレビの中でお笑い芸人が「いやお前がもらうんかい！」と突っ込みました。

速見はその声にビクッとしながら、自分が彼女側であることを思い出します。

すると速見は山本に、どういうチョコをもらったら嬉しいのかと尋ねました。

山本は、くれるんですか！？と驚きます。

彼は今油断していたらしく、テレビでバレンタイン特集を見てこのチョコ高そうとか、デパートの総菜もいいなということしか考えてなかったようです。

そして山本は改めて付き合っていることを実感し、両想いってめっちゃ幸せだとしみじみとつぶやきました。

そんな彼の言葉にキュンとした速見は、そんなこと言われたらお金を奮発しちゃいそうだと照れながら言います。

それか初めて手作りに挑戦しようかなという速見ですが、山本はそれは大丈夫だと即拒否しました。

しかし速見はその言葉に凍り付きます。

山本は慌てながら、お菓子って分量が細かいし大変だ、やっと卵が綺麗に割れるようになった先輩には難しいと話し、自分はデパ地下のチョコが大好きだと笑って誤魔化しましたが、気まずい空気が流れました。

次の日、速見は高橋に連絡し、高橋の家で内緒でとびっきり美味しいチョコを作って、山本をびっくりさせたいのだと話しました。

高橋は女児かと呆れつつも、速見の頼みを承諾しました。

速見は付き合う前はお弁当を失敗しても気にならなかったのですが、付き合ってからは彼女のプライドからか、山本に料理ができないことを馬鹿にされたことが悔しくなったのです。

そして速見は山本に「惚れ直しました先輩♡」と言わせてやると決意しました。

その後、ついにバレンタインデーがやってきました。

速見は急用で出かけると山本に伝え、チョコを渡すのは夜でも大丈夫かと尋ねます。

山本はそれは全然大丈夫だと答えつつ、この前の言い方を怒っているのではないかと心配そうに聞き返します。

速見は引きずってないよ！と笑いながら否定しますが、「引きずってはないけど～うん・・・いってきます」と含みを持たせながら、家を出ていきました。

そんな彼女の様子を見て、山本は絶対気にしてると感じます。

そのため山本は、お詫びにオシャレスイーツを作って交換することを考えますが、マウント取ってどうするんだと思い直し、何でおれこんなに女子力高いんだ！と自分に嫌気がさしました。

その時、家のインターホンが鳴ります。

玄関のドアを開けると、そこに赤嶺が立っており「ハッピーバレンタイン♡」と満面の笑みで言いました。

そんな彼女に山本は、速見とちゃんと付き合い始めたと報告し、もうコソコソ悪だくみみたいなことはやめろよ！？と忠告します。

赤嶺は「ついにそうなのね・・・」と寂しそうにつぶやきながら、速見に渡しておいてほしいと袋を渡します。

その袋にはフランスから取り寄せたチョコや、チョコレートカラーのスタッドピアスや手編みのマフラーや、速見をイメージした香りのアロマ（特注）や錆付箔押しフォロアルバム（非公式）などが入っているらしく、愛が重すぎるとドン引きする山本。

すると赤嶺は、あら彼氏さんの愛はもっと軽いの？と返します。

そして赤嶺は、自分は速見の幸せのために外野に回るだけだから、幸せに出来なかったら命はないと山本を脅しつつ、彼に渡す義理チョコをバキッと割りながら去っていきました。

そんな赤嶺の行動にどっと疲れてしまう山本ですが、「幸せにできなかったら・・・」という彼女の言葉を思い出しながら、俺だってそこを目標に頑張ってるんだとつぶやきました。

一方速見は高橋の家でチョコを作らせてもらったものの、食べ物の形状にすらならずに失敗してしまい、ため息をつきながら街を歩いていました。

駅ナカのチョコは品切れだったらしく、どうしようと悩む速見。

するとその時、一人の男が速見に声をかけてきました。

どうやらナンパらしく、喋ろうよと速見にしつこく言い寄ります。

しかし次の瞬間、山本がやってきて、速見と男の間に入りました。

彼氏さんかな？と気まずそうに言う男に、山本は「家人ですけど」と返します。

速見は家人という言葉に謎のときめきを感じました。

その後、速見は山本と共に花屋に行き、綺麗な花束を彼にプレゼントしました。

そして速見は山本に、今日本当は高橋の家で良いところを見せようと張りきってチョコを作っていたけど失敗したのだと打ち明け、謝ります。

すると山本は速見の手に湿布が貼ってあることに気づきます。

速見は軽い火傷だと言いますが、山本はどんな失敗作でも食べたかったなと寂しそうにつぶやきました。

そんな彼の言葉にキュンとした速見は、食べさせたかったと言います。

すると山本は今からスーパーに寄って、チョコを作ろうと提案しました。

自分が横で監修してれば失敗しないんじゃないかという山本。

ということで速見は家に帰って山本に横で見てもらいながら、チョコレートケーキを作りました。

無事に美味しいチョコレートケーキを作ることができ、喜ぶ速見。

速見は本当は小島が出てくるガナッシュケーキが作りたかったようですが、小島はさすがに売っておらず、断念しました。

山本は、おもちゃや指輪が中に入っているものは苦手のようですが、店じゃなくて家で速見と作るなら楽しいかもしれないと言いました。

それを聞いた速見は、とても山本を抱きしめたくなりました。

しかし急にそんなことを言ったら引かれるのではないかとためらう速見。

ケーキを食べ終わった後、山本はテキパキと片付けを始めます。

その様子を見つめながら、両想いってめっちゃ幸せだと言っていた彼の言葉を思い出す速見。

そして速見は後ろから山本にギュッと抱き着きました。

そんな彼女の行動に驚く山本。

速見は「私も両想いが幸せだなーって思ったら、つい・・・」と言います。

それでも速見は、やっぱりいきなりだと照れると言いながら離れようとしますが、山本は後ろを振り返って彼女をギュッと抱きしめました。

いつもより力強いハグにドキドキする速見。

すると山本は「ちょっと今日ヤバいです。足りない・・・」と言いつつ、キスをしてもいいかと速見に問いかけるのでした。

25話

キスをしてもいいかと尋ねる山本。

速見は許可をとろうとする彼のことを、真面目だと感じます。

しかし、どう返事をするべきか悩む速見。

しかも首を両手でつかまれているため、キスではないのではないかと感じ始めます。

もしそのまま押し倒されたら、さすがに準備ができてないと心配になりました。

すると速見は、口周りにチョコがついていたら嫌なので、一回鏡を見てもいいかと山本に問いかけました。

山本が「どうぞ・・・」と許可すると、速見はすぐさま洗面所に行って念のため歯磨きをして、口をしっかりゆすぎ、服の毛玉をとります。

そして準備を整えてリビングに戻ろうとするも、キスをすると思うと緊張して躊躇してしまう速見。

すると山本が自らドアを開け、別にそのまま押し倒したりしないと速見に言いました。

そんな彼の言葉に安心する速見。

山本はただキスしたかっただけで、それも嫌なら全然待つ、嫌がらせるつもりはなかったと言い、焦ってすみませんと謝罪しました。

そして山本はテレビを観ましょうと提案し、キスの流れはなくなります。

しかし毎日一緒にいるので、今日じゃなくてもまたそういう空気に持っていけばいいと考える速見。

キスは嫌ではないということだけは伝えたいのですが、照れて伝えることができませんでした。

日曜日、速見は営業の仕事に行くことになりました。

家電量販店で速見の会社の目玉商品を置いてもらえることになったので、速見が呼び込みをするようです。

家電量販店の後藤によると、もう一人学生の花妻という男の子が手伝ってくれる予定とのこと。

するとそこへ花妻が「はっぴ着てみたんですけど、どうですかぁ～？」と言いながら、やってきました。

彼の姿を見た速見と後藤は、思わずかわいいと叫びます。

「はっぴいいですね！目立つし」と速見が言うと、後藤は実は速見にも用意しているのだと話しつつ、CMでモデルの女性が着用している猫耳とリボンを取り出しました。

しかしこれはさすがに自信がないという速見。

それでも後藤は絶対速見なら似合うと言い張り、引いてくれません。

すると花妻が「僕もはっぴよりこっちがいいなぁ。かえっこしてくれませんか！？」と言って、自ら猫耳を着用し、そのまま呼び込みの仕事をしました。

仕事が終わった後、速見は花妻に助けられたことを感謝します。

すると花妻は営業マンになったら自分の可愛さを武器にするつもりだから大丈夫だと、満面の笑みで言いました。

そんな彼に、本当に嫌なときは嫌と言っていいからねという速見。

しかし花妻は嬉しいこともいっぱいあるから大丈夫だと話します。

買い物でおまけがもらえるし、ちびっ子にも好かれるし、あと身長も好きな人と目線が一緒だと言って、花妻は速見に接近し、彼女をじっと見つめます。

そんな彼の行動に速見は、キュンとしてしまいました。

山本とは違うタイプの恐ろしい子だと思いつつも、こんな子と仕事ができたら楽しいだろうと感じました。

そして速見が仕事を終えて外に出ると、山本が待ち構えていました。

この時間はもう暗いから迎えに来たという山本に、キュンとする速見。

それから2人は電車に乗って、手を繋いで家までの道を歩き、並んで信号待ちをします。

しかし電車で喋りすぎて話題がなくなってしまい、速見は山本に話題を考えてほしいと要求します。

すると山本は、キスっていつからしてもいいですか？と尋ねました。

そんな彼の言葉にドキッとする速見。

山本は、夜道が静かすぎて煩悩が出た、自分は一番好きな弁当のおかずも真っ先に食べるタイプで、我慢が効かないのだと言い、子供ですみませんと謝ります。

速見は、自分は好きなおかずは最後にとっておくタイプで、キスも拒否したわけじゃなく、もうしちゃうの！？ともったいなくなったのだと話しました。

「どんだけ好きなのって感じだよね・・・」と照れ臭そうに微笑む速見。

すると山本は速見の手に無言でキスをしました。

そしてお互い恥ずかしそうに顔を赤らめて沈黙します。

信号機は赤のまま、なかなか変わらず、気まずくなった速見は山本に「何か言ってよ・・・」と言いました。

その瞬間、山本は速見の唇にキスをしました。

そして信号は青になり、2人は歩き始めます。

山本は信号待ちが大好きになりそうだと言いました。

速見は同じ家に帰っているのに、帰り道がずっと続いてほしいと思い、幸せを噛み締めました。

一方、花妻は電話の相手に今日の感想を聞かれ、本社の方が色々教えてくださったりして、とても楽しくできた、4月からが楽しみだと話していました。