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43話　

走る響達は青山君のアパートへ向かいます。

みんなが急に来たのに青山君は驚き、長野君に痩せ過ぎだよ！と言われ心配されます。

そして、響ちゃんがご飯を作りに来たら戻るんじゃない？と提案されるのでした。

学校帰りに青山君のアパートへ響は訪れます。

二度目、とわくわくしながら中に入った響の目の前に現れたのはキャンプ用テントでした。

テントの前にはヤカンを温めた後やテーブルなど、どれもキャンプ用品が並んでおり響は固まります。

家が広くて落ち着かなくて修二さんのを借りてる、寝るときは寝袋と青山君は照れながら言います。

響は少し驚きながらも冷蔵庫を開けますが、開けても開けても空ばかり、一番下を開けると唯一大量の大根が入っていました。

最近は大根しか食べていない、と言う青山君に響は仰天し動揺しながら料理を作ります。

高速で作り上げたのは響が買ってきた物で作った大盛りの親子丼です。

嬉しそうに大口を開けて青山君は食べ、美味しいと噛みしめながら言います。

それを見ながら響は張り切ってるね？と声を掛けます。

青山君は目を大きく広げ、一人で暮らすようになりお金などに不安になったと話します。

さらに、この家にいると凄い人が身内になったんだって考えるうちに、何かあったらあの人達に頼ればいい、なんて一瞬考えたりもしてそんな自分の甘さに気付いたと言います。

そしてそんな自分が嫌になって、焦り大根生活になったと嘆きます。

そんな風に考えれることに響は早めに気付いてよかったと思いながら、自分には甘えるけど頼ってはくれないと思いもどかしさを感じながら青山君に食べさせてあげるのでした。

洗面所で床屋さんで使うシェーバーを響は見付け、青山君を呼びます。

修二さんが使わないから置いて行ったのかも、と言います。

自分は濃い産毛が少し生えるくらいであまり髭はないと言う青山君に対して響は興味深々です。

カシャカシャと泡を立て、準備する響をよそに青山君は顔を真っ赤にしています。

和室に移動し、響に膝枕をしてもらいながらのこの状況に動揺していたのです。

じっとしててと言われ素直に目を閉じ、顎に泡を塗られます。

急になんだろうと思いながらも膝枕に青山君は喜び、シェーバー中もドキドキしそわそわしてます。

響はというと慎重に泡を塗りながら、もっと頼ってほしい、せめて話だけでもしてほしい、でもこれは私のエゴなのかな、と考えているのでした。

無事シェーバーが終わり、青山君は響にキスをします。

キスを繰り返す青山君に、青山君は病み上がりだからもうダメだよと響は言います。

いま凄くくっつきたい気分なのに！と青山君は嘆きます。

顔を赤くし困りながらも響は考えます。

そして青山君の横に転がり、青山君から触らないのならいいと伝えます。

口角を上げ見つめ、床を軽くたたき、青山君に寝転ぶよう促します。

青山君はすぐに横に寝転がり、了承します。

響は瞼や手のひらにキスをします。

口にはしないのか、と青山君は思いながら響を見ます。

軽く目を開け、顔を火照らしながら指先を甘噛みし、少し吸う響に顔を真っ赤にしながら青山君は動揺します。

空返事に何食わぬ顔で響は進めます。

上に乗りお腹をめくり、キスをする響、青山君は腕で顔を覆います。

やっぱり青山君痩せたなあ、大したことできなくて悔しいなと八つ当たりだ、と響はキスを繰り返します。

青山君が腰を触り、俺もう大丈夫だから今度は俺の番！と顔を真っ赤にしながら懇願してきました。

その懇願の仕方にビックリする響の口に青山君はキスをします。

キスを繰り返しながら、今日のお礼を青山君は言います。

赤坂さんには凄く甘えてしまう、こんなこと赤坂さんだけだと言います。

寧ろもっと自分にも他人にも甘え頼ればいいのにと思いながらも響は私にだけ、と言うことに喜びます。

顔を真っ赤にしながら口を手で押さえる響に、青山君は可愛い顔をしていると目を見開き頬を染めながら見ます。

ホットケーキを作る、と響はいいます。

それ甘やかすじゃないよね、子供扱いされたいわけではないと考えながら響の膝にキスをします。

膝の横を甘噛みし、どんどん上へ進みます。

青山君が内ももを触った時に顔を真っ赤にしビクッと響は声をあげます。

ビックリし、二人は見つめ合います。

自分の聞きなれない声に動揺しながらホットケーキ作る、と言う響きに焦りながら青山君は同意しました。

君の唯一ならいっか、八つ当たりのキスが心をすくうこともあるのかも、と響は思うのでした。

そんな響をよそに青山君はゲシュタルトを崩壊していたのでした…

無自覚エロスJD×ド天然男子の恋、ちょっぴり大人ムードに★風紀部一同と2人はナイトプールへ！赤坂さんの輝く水着姿を見た青山くんに異変が!?さらに潮の弟・詠芽の登場で波乱の初ゲンカが勃発!!はじめてづくしのキャンパスライフ★ちょいエロラブコメ第10巻！

47話

「呼び方かえないの？」

青山は学校でそう聞かれていたことを思い出し、もう青山さんって呼ぶことになれちゃったから・・・と言っていた自分を走馬灯のように回想していました。

彼のすぐ目の前には、水着にガウンを着ているだけの響の姿が・・・

「大地」

突然下の名前を呼ばれたことで、青山は返事も返せずただ響を見上げるばかりです。

そんな彼の頬をそっと指でなぞると、響は「私の名前は呼んでくれないの？」と迫ってきました！

あまりのセクシーな声に青山は慌てて耳をふさぎ目をかたくつむってしまいます！

「あっ、赤坂さん！手加減してください！」

慌てる青山でしたが、響はその様子をほほえましく思ったのか、ふいに切られた桃を手に取り響の口に放り込みました。

そして、彼の口から出ているもう半分の桃の部分をあむあむと噛んでいきます・・・

そのままキスするかしないかというところで、響は青山にさらに体を近づけると、彼の上半身へとしたたりおちた桃の果汁を舐め取り始めました・・・！

「とてもエロイことをされている！？」

驚く青山ですが、みたいと思いながらも今目を開けたら二度と戻ってこれなくなりそうだとおもい必死に震えながらその欲望を抑え込んでいます・・・

そんな彼にどんどんと迫っていく響に、青山はあわてて叫びました！

「ひ、響っ！」

はじめて呼ばれた下の名前に、響は嬉しくなったのか青山の頬を、唇を、と甘噛みするような口づけをおとしていきます・・・

思わず響にやめるようにと言おうとした青山は、響と目を合わせてしまいました！

「ひび・・・」

もう一度響の名前を呼ぼうとした時、２人は入り口でジト目をむける豆子にきがつき動きを止めます・・・

「気づいてる？この部屋下から丸見えなんだよね～」

豆子の言葉でようやく２人は正気をとりもどし、慌てて離れるのでした・・・

けっきょく一度もプールに入らずに帰りの電車にのった２人は、盛大にため息を付きます。

謝りあう２人でしたが、ふと響がいいました。

「やってみようかな、バイト」

青山はまた多々良にちょっかいをかけられるのではないかと心配しましたが、響は大丈夫といいます。

多々良は美猫にしか興味がないようだし、もうあんなことはしないだろう・・・

そういう響に青山は驚いた後に、そういえば、と口を開きます。

「ナンパする人いませんでしたね」

まさに逆ナンされていた青山がそんなことをいうため、響はえ！？と驚き振り返りました！

「青山くんたちナンパされてたよね！？」

青山はてっきりカツアゲされてるのだと思っていたといったあと、大地と呼ばれたことをまた思い出し顔を赤くしてうつむいてしまうのでした・・・

最寄り駅についた２人は駅前で別れようとしたのですが、響が帰ろうと後ろを向いた途端、青山が勇気を振り絞ります！

「ひびき！」

彼が下の名前を読んでくれたことに響は喜び、思わず駆け寄り抱きしめました！

そんな響に、まだ下の名前を呼ぶのは、自分の名前を呼ぶことも含めて待っていてほしいと伝えます。

「ちょっとずつだね、一番楽しみな案件になった！」

そういって喜ぶ響は、いつものように学校生活をおくります・・・

夏休み明けには響と呼んでくれるようになるかもしれない・・・そう楽観視していた響だったのですが・・・

久々に集まったメンツの中で、ブルブルと震えながら青山は響に、宣戦布告のような怒りの言葉をつきつけたのです！

「赤坂さんの・・・わからず・・・や！」

響のほうも我慢していたこともあり、ついつい「青山くんの意地っ張り！」と怒鳴ってしまいます！

子供の喧嘩か？と呆れる豆子でしたが、そこにとんでもないイケメンがやってきました！

「いたー、潮姉と大地兄ちゃーん」

２人が喧嘩をする原因となった人物・・・

それは青山の弟でした！

「オレ自分より顔いいひときらーい！」

そういってニヤニヤと笑った弟詠芽（えめ）は大地に絡みつきながらニヤニヤと響を挑発します・・・！

喧嘩がしたかったわけじゃないのにー！！

そうショックを受ける響をみながら、豆子は「キャットファイト？」とつぶやきながらチキンナゲットを食べるのでした。

48話

初めてのケンカをしてしまい、お互いに引き際のわからなくなっている青山と響・・・

せっかく集まった他のメンツも感じるほどの空気の悪さの中、ついに響が動きました！

「わ、私、今日は帰るね・・・！ごめんっ、ばいばいっ！」

必死にそう叫ぶと、響はカフェから出ていってしまいました・・・

それをただ青ざめるばかりで引き止めることもできなかった青山・・・

その様子を見ていた豆子は「ヘタクソか」と正直な感想をつぶやくのでした。

「私も元凶回収するね・・・エメ、帰るよ・・・」

ぐったりとした様子でそういったのは潮で、彼女は今回のケンカの元凶ともいえるエメを引きずってお店を出ていきました。

痴話喧嘩にまきこむなや、とカフェに残ったメンバーからいわれ、青山は申し訳有りません・・・と頭を下げます。

そして、豆子ちゃんもなんかいってよといわれた豆子はいいよー、オブラート何枚包む？と乾いた笑いを浮かべました。

多めに包んだものを・・・と青山が頼むと豆子は「だいじょぶ★だいじょぶ★きっとすぐ仲直りできるよ！」と信じられない笑顔とポーズで言ってくれます・・・

「オブラート・・・０枚だと・・・？」

恐る恐るそう聞いた青山に、豆子は冷めきった瞳で「温厚な響ちゃん怒らせた段階で積んでる」と絶望的な答えを突きつけたのでした・・・

なぜこんな状態になってしまっているかといえば、それは2週間前にさかのぼります。

テストが終わってから長い夏休み期間が始まろうとしていたのですが、潮に会おうといわれやってきた響は、青山がバイト三昧で会えそうもない話をしました。

8月の前半だけらしいとはいっても、会えない日々は響を消耗させていたのです。

その日潮が響を呼び出したのは、彼女の弟であるエメを紹介したいからということでした。

彼は17歳で、現在は台湾で俳優業をメインに活動をしているそうです。

潮と同じく青山とは幼馴染同士だという彼は、無邪気に響に暇な日があったら会って遊ぼうよ！と話しかけてきました。

それを二つ返事で引き受けてしまった響でしたが、その日の晩に青山と電話をしていると、エメの話になります。

「しばらく日本にいるみたいで、観光案内することになったよ」

その言葉をきいた青山は明らかにうろたえ、大丈夫！？何もされてない！？と慌てて問いただしてきたのでした・・・

結局詳しい話は彼がバイトの休憩の合間にしてきたこともあり聞けず、モヤモヤした気持ちを抱えたまま響はエメと遊ぶ日を迎えることに・・・

エメくんはいい人っぽく思えましたが、言葉の端々に青山は彼女である響よりも自分を優先してくれるというマウントが垣間見えました。

そして、この日の集まり・・・

ようやく響にあえた青山は響に抱きつき匂いをかいでいました・・・

ラブラブに見える2人でしたが、カフェに入って食事をとっていると青山から衝撃の言葉を聞かされてしまいます。

バイトで忙しく寝る暇もほとんどないという青山だったため、響は会いに行くことやわがままをいうことを控えていたのですが・・・

「エメが一昨日うちにきて、昨日もバイト終わりにラチられて静岡までラーメン食べに・・・」

青山はぐったりした様子でそれを言いますが、明日は夏祭りだから大丈夫！と無理やり笑顔を作りました。

二徹していけば夏祭りにだって参加できる！そう宣言する青山でしたが・・・

「青山くん、夏祭りやっぱやめとこう」

響は純粋に青山への心配からそう口にしていました。

顔色も悪いし、寝たほうがいい・・・何より今の時期じゃなくてもお祭りやイベントはあるのだから、またの機会にしよう、響はそういったのですが・・・

「これはスネているわけじゃない、私は会いたくても我慢したのにとか・・・そういうわけでは・・・」

内心でエメに対する嫉妬心が燃え上がっている事にも気がついてはいました。

ただ、それは言わずに青山を気遣うという形でこの言葉を出したのです。

青山がエメの誘いを受けたのは、全てエメが響にちょっかいをかけようとしていたから・・・

それを知らない響でしたが、青山は響の言葉にひどいショックを受けたようでした。

「明日すっごい楽しみにしてたのに・・・赤坂さんのわからずや・・・」

こうしてケンカとなった2人・・・

店を飛び出していってしまった響でしたが、やはりこのままではよくないと戻ってきていました。

偶然その響とすれ違ったのが潮とエメです。

響はエメに対し、青山くんと仲いいってのは本当じゃないの？と尋ねます。

エメはその言葉に冷たい微笑みを返しました。

「あはは、いいよ仲、あの日大地くんがボクの恋人を奪うまではね！」

フラレガール11巻あらすじ